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夏バテ予防の栄養(たんぱく質・ビタミン)

夏バテ予防の栄養(たんぱく質・ビタミン) 健康

毎年7月から8月にかけて、薬局の店頭では「なんとなくだるい」「食欲がわかない」「眠りが浅い」といったご相談が増えます。いわゆる「夏バテ」と呼ばれる状態ですが、お話をうかがっていくと、暑さそのものよりもこの時期の食事の偏りが背景にあるケースが少なくありません。ここでは薬剤師として店頭でよくお伝えしている、たんぱく質とビタミンを中心とした食事の整え方を紹介します。

夏の不調は「食べ方」から始まっていることが多い

暑くなると、そうめん・冷やし中華・アイス・清涼飲料水など、のどごしのよいものが中心になりがちです。これらは糖質が多い一方で、たんぱく質やビタミン、ミネラルは比較的少なめです。さらに、汗をかくことで水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質、水に溶けやすいビタミンも失われやすくなるとされています。

加えて、屋外の暑さと室内の冷房による温度差は体にとって負担になりやすく、そこに食事の偏りが重なると、体調を崩しやすい条件がそろってしまいます。「食べていないわけではないのに元気が出ない」という方ほど、まず食事の中身を振り返ってみる価値があります。

まず見直したいのは「たんぱく質」

1日の目安量を知っておく

たんぱく質は、筋肉や内臓、皮膚、酵素、ホルモンなど体をつくる材料になる栄養素です。健康な成人の場合、1日あたり体重1kgにつきおよそ1gが目安のひとつとされており、体重60kgの方なら約60g、1食あたり20g前後という計算になります。

実際の食品でみると、卵1個で約6g、納豆1パックで約7g、木綿豆腐半丁で約10g、鶏むね肉100gで約22g、牛乳コップ1杯(200mL)で約7gです。そうめんだけの昼食では、この目安に届かないことがイメージできるかと思います。

食欲がない日でも取り入れやすい形にする

「肉や魚は重たくて食べたくない」という日は、冷たいまま食べられるものを組み合わせるのが現実的です。

  • そうめんに、ゆで卵・ツナ・しらす・冷しゃぶを添える
  • 冷奴に、かつお節やしらすをのせる
  • 間食を菓子から、ヨーグルト・牛乳・豆乳・チーズに置き換える
  • 朝食に卵か納豆を1品足す(朝は不足しやすい時間帯です)

一度にたくさん食べるより、3食に分けてこまめにとるほうが取り入れやすいと考えられています。

汗とともに不足しやすいビタミン・ミネラル

糖質に偏った食事が続くと、それをエネルギーとして利用する過程で必要になるビタミンB群の必要量も相対的に増えます。夏に意識しておきたい主な栄養素を整理しました。

栄養素 一般的に知られる働き 多く含まれる食品
ビタミンB1 糖質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素 豚肉、うなぎ、玄米、大豆製品
ビタミンB2 皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素 レバー、卵、納豆、乳製品
ビタミンC 皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用をもつ栄養素 パプリカ、ゴーヤ、ブロッコリー、キウイ
カリウム 体内の水分バランスの調整などに関わるミネラル バナナ、いも類、トマト、豆類
ナトリウム(塩分) 汗とともに失われやすく、水分とあわせた補給が必要とされる みそ汁、梅干し、経口補水液

なお、腎臓の病気で治療中の方はカリウム、高血圧や心臓の病気で治療中の方は塩分について、医師から個別の指示が出ている場合があります。自己判断で増やす前に、主治医や薬剤師にご確認ください。

店頭でよく聞かれる質問

Q. サプリメントを飲んでおけば食事は適当でもいい?

いいえ、健康食品やサプリメントはあくまで食事で不足しがちな栄養素を補う目的の食品であり、食事の代わりになるものでも、体の不調を治すものでもありません。まずは3食の中身を整えることが基本です。そのうえで補助的に使う場合も、複数の製品を併用すると特定の成分が重複することがありますので、選ぶ際は成分表示を確認するか、薬剤師にご相談ください。

Q. 栄養ドリンクやビタミン剤はどう違うの?

製品によって位置づけが異なります。医薬品や医薬部外品として承認されているビタミン含有保健薬には、「肉体疲労時・食欲不振時・病中病後などの栄養補給」といった効能効果が認められているものがあります。一方、清涼飲料水として販売されているドリンクは食品であり、そうした効能をうたうことはできません。

また、製品によってはカフェインや糖分を比較的多く含むものもあります。持病がある方、妊娠中・授乳中の方、他のお薬を服用中の方は、購入前に薬剤師にお声がけいただくと安心です。

Q. 水分は何をどれくらい飲めばいい?

日常生活では水や麦茶で問題ないとされていますが、屋外での作業やスポーツなどで大量に汗をかいたときは、水分と一緒に塩分を補うことがすすめられています。経口補水液は、脱水状態のときの水・電解質の補給に適した食品として designed されたもので、日常的に飲み続けるための飲料ではありません。用途に応じて使い分けましょう。

Q. どのくらい続いたら受診したほうがいい?

「夏バテだと思っていたら別の原因だった」というケースもあります。次のような場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 2週間以上、だるさや食欲不振が続く
  • 体重が短期間で目立って減った
  • 発熱、強い頭痛、吐き気、めまいをともなう
  • 水分がとれない、意識がぼんやりする(熱中症の可能性があり緊急性が高い状態です)

まとめ

  • 夏の不調は、糖質に偏った食事とたんぱく質不足が背景にあることが少なくありません。
  • たんぱく質は1食20g前後を目安に、卵・納豆・豆腐・乳製品など手軽な食品で3食に分けてとるのが現実的です。
  • ビタミンB1・B2・C、カリウム、塩分は夏に不足しやすいため、主食に一品足す意識をもちましょう。
  • サプリメントや栄養ドリンクは食事の代わりにはならず、あくまで補助的なものと考えてください。
  • だるさが2週間以上続く、体重が減る、発熱をともなうといった場合は、自己判断せず医師や薬剤師にご相談ください。

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