【監修】先生薬剤師
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プロテインの選び方|種類と注意点を薬剤師が解説
「プロテインを飲んでみたいけれど、種類が多すぎてどれを選べばよいかわからない」——こうしたお声を、薬局の窓口でもよくお聞きします。プロテインはドラッグストアやスポーツ用品店、通販サイトなどで数多くの商品が販売されており、初めての方には選択肢の多さがかえって悩みの種になることも少なくありません。
本記事では、現役薬剤師の立場から、プロテインの種類とその特徴、自分に合ったものを選ぶためのポイント、そして安全に活用するための注意点について解説します。
目次
- プロテインとは何か(栄養学的な位置づけ)
- 主なプロテインの種類と特徴
- 目的・体質別の選び方のポイント
- 1日のたんぱく質の目安量
- プロテインを摂る際の注意点
- 薬剤師からのワンポイントアドバイス
- まとめ
プロテインとは何か(栄養学的な位置づけ)
プロテイン(Protein)は「たんぱく質」のことです。市販のプロテイン製品は、食品(栄養補助食品・サプリメント)として販売されており、牛乳・大豆・卵などの食品を原料として製造されています。
たんぱく質は筋肉・皮膚・骨・臓器・酵素・ホルモンなど、体のあらゆる組織の材料となる栄養素です。運動をする方はもちろんのこと、加齢に伴う筋肉量の維持を気にかける方や、食事から十分なたんぱく質を摂ることが難しい方が補完的に活用するケースも増えています。
主なプロテインの種類と特徴
ホエイプロテイン(Whey Protein)
牛乳に含まれるたんぱく質のうち、乳清(ホエイ)から抽出したものです。消化・吸収が比較的速いとされており、アミノ酸スコアが高い点が特徴です。乳糖不耐症の方向けに乳糖を除去した「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」タイプも販売されています。
牛乳・乳製品のアレルギーがある方には不向きですので注意が必要です。
カゼインプロテイン(Casein Protein)
牛乳中のたんぱく質の約80%を占めるカゼインから作られます。ホエイと比較してゆっくり消化・吸収されるとされており、就寝前の摂取に関心が高い製品です。同様に、乳製品アレルギーの方への配慮が必要です。
ソイプロテイン(Soy Protein)
大豆を原料とするプロテインです。植物性たんぱく質であるため、乳製品アレルギーがある方や、植物性食品を中心とした食生活を送っている方に選ばれることがあります。
大豆にはイソフラボンが含まれており、女性ホルモン様作用との関連が議論されています。国立健康・栄養研究所は、大豆イソフラボンの過剰摂取について注意を促しており、特に妊娠中・授乳中の方は摂取量に注意が必要です。
エッグプロテイン(Egg Protein)
卵白を原料とするプロテインです。乳製品アレルギーがある場合の選択肢のひとつですが、卵アレルギーがある方には不向きです。
ピープロテイン・ライスプロテイン(植物性)
エンドウ豆・玄米などを原料とするプロテインで、乳製品・大豆・卵のアレルギーがある方に対応できる場合があります。近年、ビーガン対応食品として注目されています。
目的・体質別の選び方のポイント
運動習慣がある方
運動後の食事で十分なたんぱく質を摂ることが基本です。それでも不足を感じる場合、プロテインを補完的に活用する方法があります。
選ぶ際は、アレルギーの有無(乳製品・大豆・卵)を最優先に確認してください。ホエイプロテインは入手しやすく種類も豊富ですが、乳糖不耐症の症状が気になる方はWPIタイプや植物性プロテインを検討するとよいでしょう。
筋肉量の維持が気になる中高年の方
年齢とともに筋肉量が低下する「サルコペニア」の予防には、適切な運動と十分なたんぱく質摂取が組み合わさることが重要とされています(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」参照)。
ただし、腎機能が低下している方がたんぱく質を過剰に摂取することには注意が必要です。腎臓に関する既往症がある方は、必ず医師に相談してからプロテインを活用してください。
植物性食品を中心とした食生活の方
ソイプロテイン、ピープロテイン、ライスプロテインなどの植物性プロテインが選択肢になります。植物性プロテインはアミノ酸スコアがやや低い傾向がありますが、複数の植物性原料を組み合わせることでアミノ酸バランスを補っている製品もあります。
1日のたんぱく質の目安量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、たんぱく質の推奨量として以下が示されています。
| 対象 | 推奨量(目安) |
|---|---|
| 成人男性(18〜64歳) | 65g/日 |
| 成人女性(18〜64歳) | 50g/日 |
| 65歳以上男性 | 60g/日 |
| 65歳以上女性 | 50g/日 |
| 妊娠中(後期) | +25g/日 |
※体格・活動量によって個人差があります。
プロテインを追加する際は、食事で摂取するたんぱく質量も加算した上で、過剰摂取にならないよう調整することが大切です。
プロテインを摂る際の注意点
腎機能が低下している方への注意
たんぱく質はアミノ酸に分解され、代謝産物(尿素など)が腎臓を通じて排出されます。腎機能に問題がある方がたんぱく質を過剰に摂取すると、腎臓への負担が増す可能性があります。慢性腎臓病(CKD)の方はたんぱく質制限が指示されることがあるため、必ず主治医に確認してください。
アレルギーへの注意
ホエイ・カゼインは乳由来、ソイは大豆由来、エッグは卵由来です。それぞれの原料に対するアレルギーがある場合は、該当する製品を避けてください。原材料表示を必ず確認する習慣をつけましょう。
消化器症状への配慮
プロテインを多量に摂取した場合、お腹の張りや下痢・軟便などの消化器症状が現れることがあります。初めて摂取する際は少量から試し、様子を見ながら量を調整してください。
含有成分の確認
製品によっては、人工甘味料・着色料・増粘剤などの添加物が含まれる場合があります。特定の成分に感受性が高い方は、原材料表示をよく確認してください。また、スポーツ用プロテインの中には、ドーピング禁止物質が混入するリスクについて注意喚起している製品もあります(アスリートの方は公認機関の情報を参照ください)。
薬剤師からのワンポイントアドバイス
薬剤師として伝えたいことは、「プロテインは食事をそのまま代替できる食品ではなく、食事の一部として位置づけること」です。
プロテインはあくまで栄養補助食品であり、バランスのよい食事の代わりにはなりません。食事から十分なたんぱく質(鶏むね肉・魚・豆腐・卵・乳製品など)を摂ることが基本で、それが難しい場合にプロテインで補うというアプローチが適切です。
また、現在何らかの医薬品を服用している方や、持病がある方は、プロテインサプリメントを始める前に必ず薬剤師または医師にご相談ください。特に腎疾患・肝疾患がある方は、たんぱく質の摂取量が制限されている場合があります。
まとめ
- プロテインは食品(栄養補助食品)であり、たんぱく質の補完に活用できます
- 主な種類はホエイ・カゼイン(乳由来)、ソイ(大豆由来)、植物性(豆・米等)で、アレルギーの有無に応じて選ぶことが最優先です
- 1日の推奨たんぱく質量は食事全体で考え、プロテインはあくまで補完として位置づけます
- 腎機能が低下している方・持病がある方・妊娠中・授乳中の方は、利用前に必ず医師・薬剤師に相談してください
- 消化器症状が出る場合は量を減らし、体に合う範囲で活用してください
参考情報源:
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
- 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 https://hfnet.nibn.go.jp/
【ご注意】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品の効能効果を保証するものではありません。
健康上の悩みや疾患に関しては、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
本記事は薬剤師が監修していますが、個別の症状に対する医学的診断や投薬判断を行うものではありません。

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